MADDENING NOISE Memorandum
戦国無双&OROCHI中心二次創作文垂れ流し人の雑記帳
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萌えの加速が止まらず、思わず書いてしまう不幸をお許しください(涙)
いやもっぱら許してほしいのは一次原稿を待っているオフの方たちorz
現パラ「クロスライン」最後まで読んでいらっしゃる方限定作品w
読んでらっしゃらない方にはネタバレの或いはなんのこっちゃなお話になる可能性大、です。
タイトルは思いつかない、、「悶々×10」とかでもいいかもしれなw
おひまでしたらば、追記リンクよりどうぞm(__)m
大きく息を吸い、静かにそれを吐く。 まるで水底に居るかのように湿った空気が鼻腔に忍び込み肺を満たす。 外は雨、今日も昨日も多分明日も明後日も、別にそれでもいい、それでも構わない。 なんだっていい、どうだっていい、そんな怠惰な気分。
「嗚呼、鬱陶しい…」
別にそれほど思っていた訳ではないが、言葉にしてみた。 他に口にしてみたい言葉はあったが、それを云うとなんだか負けのような気がして、口にする気にはなれなかった。
「つまらぬ、つまらぬ」
キングサイズのベットの上、体を伸ばして天井を見つめる。 安いアパートの天井、板目のあちこちにシミ。 何とはなしに数えてみたが、すぐに、ああ下らぬ、と溜息が出た。
貌をパタリと横に倒してみる。 右手に乗った携帯、青白い大きな手の中の白いそれ。 親指一つでパカリと開けて、もう何度も見た☆印のメールボックスをまた開いた。 最新のメール、ねねからのもの。 つい一時間程前のメールだ。
<半蔵、帰って来たって♪ 今日はあたしが駄目なんだけど、明日の夜は三人でご飯食べよう! 何がいい?>
返信はついさっき<和食>と返した…正直何でも良かったけれど。
「はぁ、」
気が付けばまた溜息、携帯を乱暴に閉じてベットの端に放った。 掛布をわしゃわしゃと纏めて抱え込んで、う~んと声をあげてしまう。
「何故だ、阿呆め」
とうとう我慢できずに云ってしまった……。
もう今日で十日程になるだろうか、半蔵は出張で家を空けていた。 なんでも、相当大きな現場で問題が発生したらしく、そちらの支所で対処に追われていたらしい。
二、三日に一回は半蔵の家にねねと二人で押し掛けて三人で食事をしたり、週末は泊まり込んだりしていたというのに、付き合い始めてからこんなに半蔵に逢わなかった事はない。
それは、その分ねねと二人で食事やら何やら楽しい時間は過ごしたが、やはり半蔵も一緒でないとなんだか寂しいと、二人で云い合っていたりもしたのだ。
奴は奴で仕事が忙しいのか、一日一回メールが入ってくるくらいで、それを察するこちらとしても<こちらは気にせずに仕事に集中しろ>としか返信のしようがない状況。
それでもやっと目処がついたのか<明日か明後日には帰る>と短いメールを昨夜貰って、ねねとも連絡を取り合い、帰って来たら何処かへ遊びに行こうだのと話し合っていたのだが……
「何故我には報告がないのだ」
布団に貌を押しつけて、ちりちりとした嫉妬心からの言葉を吐いてしまう。
そう、帰宅の知らせ、ねねにはあったらしいが我にはない。 それは酷く不公平ではないか、ねねからのメールを見てから、ずっとずっと待っていたのに、これはひどく――
「阿呆」
くぐもった声で恨み言を云う己が酷くみっともない。 みっともないが、やはり――
「くやしいぞ、これは」
むくりとベットに身を起して、無性に苛立っている己を持て余す。 ねねに連絡出来るなら、我にも連絡出来るであろう。 例え同じ内容のメールでも構わぬ、同時送信でもいいではないか、ねねだけにというのが、凄く、凄く――
苛々と布団を握りしめて鼻息を荒くしていると、ベットの端に投げた携帯が可愛らしい音を立てた。 ねねからのメールだ。 チカチカと着信ライトが明滅するのを睨みつけて、しかしねねには罪はないと思い返し携帯を開く。 おそらく先の返信で、和食ならどこぞこの店にしようだの、ねねが作るだのと云った内容かと思っていたら、<家に居るの?>と問われた。 予想外の内容に戸惑いつつも<居る>と返事を返す。 即座に<じゃあ半蔵に直接伝えといてね♪>と返ってきた。
一瞬なんの事だか分らなかった。 わからなかったが、すぐに、ピンポーンと、ドアベルが鳴って……
ドアを開けるまでに二回、家具に足をぶつけた。 それでも鏡で姿を確認する事は忘れなかった。 それから今日は店を休もうと決意していた。 それから、明日が和食なら、今日はイタリアンでも食べに行こうと思い、それから、メールくらいしてくれてもいいではないかと文句の一つも云おうと思い、それから、それから――
「ただいま」
ドアの向こうでスーツを着たままの半蔵が、はにかんだように笑っていた。
外は雨、半蔵の肩も髪も少し濡れている。
「明日は和食にしようと思う」
我はたどたどしくそう云って半蔵を家に入れ、乾いたタオルで髪と体を拭いてやる。
それから小柄の体をぎゅっと抱きしめると、ようよう
「おかえり、」
そう云う事が出来た。
半蔵は、うん、と頷いて我の頭を胸に抱きかかえ、優しく口づけをくれる。
――ああ、明日は晴れればいいのに。
ふと、そんな事を思い、なんだか無性に可笑しくなって目前の鼻面に噛みついてやったら、半蔵も可笑しそうにくすくすと笑って、我の唇に噛みついた。
-----
⇒end
衝動のブツw「ただいま」「おかえり」萌え。三人で逢おうと思ってねねに連絡した半蔵でしたが、ねねはご用があってNG。 どうしようかなぁと思って小太郎に電話しようとしていた半蔵に「いきなり直接行ったら絶対喜ぶと思う」と勧めたのは、ねねだという裏設定w
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