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MADDENING NOISE Memorandum
戦国無双&OROCHI中心二次創作文垂れ流し人の雑記帳
2025/01
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ちょっと半蔵の気持ちを整理しなければ――と、思って書いてみましたらw
タイトル通り、惑乱を極めてしまいました(苦笑)

以下、R18 BL 半コタ 半蔵サイドと言っときましょうか。
もしかしたら小太郎サイドのお話も書くかもしれない。
それをしたら、更に惑乱極まるかもしれないwww

お目汚し、よろしければ、どうぞ^^

『惑乱極みて痛みを覚ゆ。』

「はん、ぞ」
掠れた、声。
耳にねっとりと絡みつく。
「あ、あ、あ、」
しっかりと繋がったそこをゆすってやれば、
掠れ声は艶を帯び、吐息と共に動きに合わせ漏れ忍ぶ。
「は、ん、」
激しさはない。
先から、ゆるく、ゆるく攻め続け、だがもう、こちらの限界も見えていた。
「も、、、と、、」
もどかしげに、青白い腕が肩に延びてくる。
好きに掴ませてやると、強い力で引き寄せられ、背中を丸めて唇を求めてきた。
ふい、と顔をそむける。
不安げに、問いかけるように、いっぱいに開いて、こちらを見やる、瞳。
「な、ぜ、」
その瞳が見たいのだ、などとはさすがに云えぬ。
意地悪く嗤って、
「まだ、だ」
と応えてやった。
互いの腹で、此奴の肉を挟みつけて、ゆるく擦る。
肩に掴んだ手を離して、紅毛溢れる頭をふって薄い唇を噛む。
その姿を見たいのだ。
早く、早く逝かせてくれ、と、鈍く輝く瞳に涙が薄らと溜まる。
その姿が見たいのだ。
半蔵、半蔵と、おれの名を呼ぶ。
その声が聞きたい。
「あ、あ、はんぞ、ぅ」
切なげな喘ぎを洩らし、お前がおれを求める声が――。

狂おしく、もどかしく、おれは、声を漏らす。
「他の男に抱かれるな」
青白い唇の端が、かすかに持ちあがり笑みをかたどった。
小さく頷かれる顎。
「他の男の名を呼ぶな」
子供のような嫉妬を口にすれば、笑みは更に深くなる。
「うぬ、だけ、だ――我を愛でるのも、我、が、愛でるのも、」
身体を起こし、愛おしげにこの黒髪を、撫でる手。
幾百幾千もの命を易々と屠る手が、たどたどしく愛おしさを現して、黒髪を撫でる。

苦しい――嗚呼、苦しい。
此奴を欲すれば欲する程、狂おしさが身体に満ちて、どうすれば良いのか、わからぬ。
いっそこの手で滅してしまえれば――。
狂った想いに目を霞ませていれば、再び近づいた唇が、おれの唇を吸う。
思わず声を上げ泣き叫びそうになる。

駄目だ。

涙などとうに枯れ果てたはずだ。
初めて人を殺した時、初めて人を謀った時、初めて忍になった時。
たばかり、ころし、生きてきた。
何が嘘で何が真実なのか、おのれでもわからぬ。
苛立ちが、動きも息も荒くした。
「はんっ」
強く強く肉を穿つ。
目前の魔は、声を上げて、またのけぞる。
肉と肉のあたる音が室に、響く。
これとて、同じ。
これとて、忍。
互いが互いをだまし、隙あらば殺す。
そうで、あろう。
そうで、あって、くれ。
やがて意識は白濁し、溢れ出る想いに、思考は押し流される。
一瞬訪れる、仮初めの、死。
この瞬間をこそ、おれは欲する。
「こた、ろ、う――あ、、、し、、、い、る、」
漏れ出た言葉は、虚しく響き、溶け消える。
ただ、闇より伸びた二本の青白い腕が、おれの肩を掻き抱き、痛い程に強く掴んで離さぬので、
「すまぬ」
ただ、そう云うしかなかった。

涙は流れぬ。
例え、これの命がおのれの目の前で消えるとも、流す涙などとうにない。
だが――
「はんぞう、」
この声に呼ばれれば、おれはどこであっても逝くだろう。
煉獄の淵を渡り、地獄の果てへでも――。
おのれを繋ぐ鎖を断ち切り、ただ、貴様の声だけを追って――。

「半蔵――」
「夢だ」
「――夢」
「ありえぬ夢を、見た」
「ありえぬ、か」
「そうだ、ありえぬ」

情事の後の余韻を振り切り、ゆっくりと脱ぎ捨てた装束を纏う。
誰にでもくれてやれる、ゆるい口づけを残して、逃げるように天守を後にする。
例えば今宵、あれの足を掬う策略の一手を打つのがおのれの仕事としても、心に惑いは一切ない。
それが、忍。
それが、影。
だが
――惑いはなくとも、痛みは、あろうよ――。
闇の中、口布の下で、おのれの唇が、意図せず歪んだ。


⇒end

公私の棲み分けの出来ぬかわいそうな、忍。
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