MADDENING NOISE Memorandum
戦国無双&OROCHI中心二次創作文垂れ流し人の雑記帳
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えーと、突発 SSS 半コタ半です。
!BLご注意!
どんと来いな方は、以下リンクからどうぞ、、、書いた本人にもちょっと謎なTextですので、お目汚しの可能性大。
おひまでしたらば、どうぞ、な感じでm(__)m
!BLご注意!
どんと来いな方は、以下リンクからどうぞ、、、書いた本人にもちょっと謎なTextですので、お目汚しの可能性大。
おひまでしたらば、どうぞ、な感じでm(__)m
----------------------
いつまでも、どこまでも、
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「男が男を組み敷くは、まこと命がけだとは思わぬか」
闇を背後に紅い髪の魔人は、その巨躯を誇る様に胸を張り、うっすらと紅に染まったような薄い唇を、すうっと切れ込ませ、笑みの形に変えた。
影は、己が形をなさぬ影は、荒い息で、激しく脈打つ心の臓の音で、おのれが影ではなく人なのだと証明しているかのように、先から騒がしく音を立てつづけていた。
「うぬは、ほんに喧しい男だ」
ほんの数か月前までは、魔の命(めい)でその躯をおのれの下に組み敷いていた。 それがどういう気紛れか、ある日――うぬを奪う――魔はそう云い放ったかと思うと、此方を組み敷こうと襲ってきた。
だが、その行為には何の制約も設けられていない。 吐かれた言葉はたった一つ。
<此れは座興、半蔵、我を興じさせよ>
先(せん)に魔を組み敷いた時は、主の命を質に取られた。 そうでなければ、おのれに倍するしかも男など、どれだけ金を積まれても抱く気になるものではない。 たとえ、その魔がどれほど美しかろうと、妖しい魅力を備えていようと、おのれにはあれを抱く器量はない、そう思っていた。
――よく、勃ったものだ。
いまだにそう思う。 確かに組み敷くよりも組み敷かれる方が余程楽であるし、自然であった。
だが、
――それにしても主の命と引き換えでなければ願い下げだ。
どれだけ金を積まれても、どれだけ、乞われようとも。
<なれば我の力で組み伏してやろう、我らの関わりはそれでこそ、であろう>
そう、あれは笑った。
それから数か月、影は何度もその身を魔に狙われ、今までは辛うじて逃げおおせてきた。 どれ程に力の差があろうとも、男が男を組み敷くは、まこと命がけ。
――そうまでしても、尚これはおれを乞う。
何度も命を奪う寸前まで行った。 危うく貫かれそうな瞬間、それこそが相手を屠る好機。 互いにそれは承知の上で、一瞬たりとも気を抜けぬ。 結果、互いに互いの望むモノ、命も躯も奪う事ができず此処にいたっている。
――もし、
影は、魔の血で汚れたおのれの得物を握り直しながら思う。
――もし、ここまで抗い、だが抗い切れぬ力の差で、あの男にこの躯を蹂躙される事があったとしたら…。
その後にはもう服従か死しか残されておらぬ気がして…。 屈辱と死への恐怖、まだ辛うじておのれの躯がおのれのモノであるあかし。
それだけを胸に、影は今宵も抗い続ける。 魔の命を狙い続ける。
「貴様にくれてやるモノなど何もない、風魔」
「其は元より承知。 であるからこそ、欲しいのだ、半蔵」
「やらぬ」
「うばう」
影と魔の唇が吊り上がる。 死ぬか殺すか、服従するか……支配、する、か――満ち満ちた殺気の中で、影の琥珀の瞳が天啓を得たかのように、一瞬、煌と輝いた。
「そうか、」
魔の薄い碧眼が愉悦に歪む。
「まこと、」
影の唇が言葉を紡いだ。
「まこと、男が男を組み敷くは、命がけ、」
「で、あればこそ、奪い甲斐のあるものと云えよう、半蔵」
魔の躯が駿足で前に飛び出る、影の肩に手をかけ組み敷かんと――いつもであれば、同様の速さで後か横かに飛び退く筈の影の躯が、同じ速さで前に出た。 一瞬魔の動きが怯む。
ザクリ、と音がして、影の得物が後ろの柱に刃を立てる。 おのれを狙ったものではないその凶刃に、何をする気かわからず、腹のあたりに身を屈める影を押さえこまんと手を出した、その時であった。
硬質な鎖の音が鳴り響き、背後の柱に深々とささる影の得物に繋がった鎖が、魔の躯をぐるりと絡めた。 一瞬の間、影には其れだけで充分。 腹の下から全力を込めて、魔の躯を柱に押しやり鎖を絞る。
「はんっ!」
もう一瞬あれば、その鎖など容易く引き千切るか、柱ごと飛ばしてしまえる魔であった。 だが、それを知る影が、その一瞬を与えようはずもなく。
柱とおのれの躯に挟まれた紅く波打つ血の様な髪を両手に絡めて、影はその青白い美しい貌に、唇に、噛みつくように口づけを与える。
「はっ、、ん」
開いた口はそれを受け入れた証し。 鎖に絡まって動かぬ手足が、もどかしく震えるのは、おのれに噛みつく小柄を掻き抱けぬ焦燥だ。
ジャリン、
重い音がして、鎖は地に落ちた。 狂おしい吐息の下で、魔の唇が空気を求めて激しく喘ぐ。
「はぁ――」
吐息と共に二つの唇は離れ、影は「座れ、小太郎」そう囁いた。
魔の膝がくずおれ、その胸に絡みついていた影の足が、とん、と板間につく。 もう一度、おのれの唾液で汚れた魔の唇をペロリと舐めると、背後の柱より得物を引き抜き、鎖を腕に絡める。
「奪われる前に奪ってやろう、小太郎、貴様の」
「からだ、を?」
とろりとした碧眼が琥珀の瞳を見つめる。 影はゆっくりと首を振った。
「貴様の、心を」
ああ、青白い肌に紅を刺したようなそこだけ薄らと紅い唇が、夢見るような吐息を吐き、涙の浮かんだ碧眼が、満足気に一度だけ瞬かれると、青白い頬に一滴、生ぬるい水がこぼれおちた。
「躯を奪うは命がけ、では小太郎、心を奪うには何を賭ける」
一歩離れて、すでに戦いの態勢に入った影が静かに囁く。 魔は一瞬の思案の後、唇を緩め、初めて見せる無垢な笑顔でこう云った。
「心を、心を賭ける、それで良いか」
「ふむ、ではこれはもう要らぬな」
手にした得物を放り投げ、防具も外し忍装束だけの姿になった影は、膝立ちで両手を広げおのれを迎える魔の躯を優しく抱いた。 互いの温もりが互いを温め、満ちた気持ちになりながら、いつしか喉を鳴らして笑い合う。
「たったこれだけの事か」
「たったこれだけの事だ」
「おれの勝ちだ、小太郎」
「我の勝ちだ、半蔵」
別にそれ以上の言葉も行動も要らぬ。 ただ、今宵はこうして互いの熱を確かめながら温め合う。 心が満ちれば、次は躯が欲しくなる時もあるかもしれぬ。 その時は、
「その時はまた、」
「殺し合うて決めれば良い」
そう云い合ってまた二人、さも楽し気に笑うのだった。
-----
⇒end
*なんだろう、これ??よくわからないけれど、なんだかぽっこり生まれたものです。多分、某停滞中連載にものごっつ根っこの処で繋がっている気がする(苦笑)展開が変なのは、某裏連載で培った悪癖 orz お目汚し失礼しましたm(__)m
いつまでも、どこまでも、
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「男が男を組み敷くは、まこと命がけだとは思わぬか」
闇を背後に紅い髪の魔人は、その巨躯を誇る様に胸を張り、うっすらと紅に染まったような薄い唇を、すうっと切れ込ませ、笑みの形に変えた。
影は、己が形をなさぬ影は、荒い息で、激しく脈打つ心の臓の音で、おのれが影ではなく人なのだと証明しているかのように、先から騒がしく音を立てつづけていた。
「うぬは、ほんに喧しい男だ」
ほんの数か月前までは、魔の命(めい)でその躯をおのれの下に組み敷いていた。 それがどういう気紛れか、ある日――うぬを奪う――魔はそう云い放ったかと思うと、此方を組み敷こうと襲ってきた。
だが、その行為には何の制約も設けられていない。 吐かれた言葉はたった一つ。
<此れは座興、半蔵、我を興じさせよ>
先(せん)に魔を組み敷いた時は、主の命を質に取られた。 そうでなければ、おのれに倍するしかも男など、どれだけ金を積まれても抱く気になるものではない。 たとえ、その魔がどれほど美しかろうと、妖しい魅力を備えていようと、おのれにはあれを抱く器量はない、そう思っていた。
――よく、勃ったものだ。
いまだにそう思う。 確かに組み敷くよりも組み敷かれる方が余程楽であるし、自然であった。
だが、
――それにしても主の命と引き換えでなければ願い下げだ。
どれだけ金を積まれても、どれだけ、乞われようとも。
<なれば我の力で組み伏してやろう、我らの関わりはそれでこそ、であろう>
そう、あれは笑った。
それから数か月、影は何度もその身を魔に狙われ、今までは辛うじて逃げおおせてきた。 どれ程に力の差があろうとも、男が男を組み敷くは、まこと命がけ。
――そうまでしても、尚これはおれを乞う。
何度も命を奪う寸前まで行った。 危うく貫かれそうな瞬間、それこそが相手を屠る好機。 互いにそれは承知の上で、一瞬たりとも気を抜けぬ。 結果、互いに互いの望むモノ、命も躯も奪う事ができず此処にいたっている。
――もし、
影は、魔の血で汚れたおのれの得物を握り直しながら思う。
――もし、ここまで抗い、だが抗い切れぬ力の差で、あの男にこの躯を蹂躙される事があったとしたら…。
その後にはもう服従か死しか残されておらぬ気がして…。 屈辱と死への恐怖、まだ辛うじておのれの躯がおのれのモノであるあかし。
それだけを胸に、影は今宵も抗い続ける。 魔の命を狙い続ける。
「貴様にくれてやるモノなど何もない、風魔」
「其は元より承知。 であるからこそ、欲しいのだ、半蔵」
「やらぬ」
「うばう」
影と魔の唇が吊り上がる。 死ぬか殺すか、服従するか……支配、する、か――満ち満ちた殺気の中で、影の琥珀の瞳が天啓を得たかのように、一瞬、煌と輝いた。
「そうか、」
魔の薄い碧眼が愉悦に歪む。
「まこと、」
影の唇が言葉を紡いだ。
「まこと、男が男を組み敷くは、命がけ、」
「で、あればこそ、奪い甲斐のあるものと云えよう、半蔵」
魔の躯が駿足で前に飛び出る、影の肩に手をかけ組み敷かんと――いつもであれば、同様の速さで後か横かに飛び退く筈の影の躯が、同じ速さで前に出た。 一瞬魔の動きが怯む。
ザクリ、と音がして、影の得物が後ろの柱に刃を立てる。 おのれを狙ったものではないその凶刃に、何をする気かわからず、腹のあたりに身を屈める影を押さえこまんと手を出した、その時であった。
硬質な鎖の音が鳴り響き、背後の柱に深々とささる影の得物に繋がった鎖が、魔の躯をぐるりと絡めた。 一瞬の間、影には其れだけで充分。 腹の下から全力を込めて、魔の躯を柱に押しやり鎖を絞る。
「はんっ!」
もう一瞬あれば、その鎖など容易く引き千切るか、柱ごと飛ばしてしまえる魔であった。 だが、それを知る影が、その一瞬を与えようはずもなく。
柱とおのれの躯に挟まれた紅く波打つ血の様な髪を両手に絡めて、影はその青白い美しい貌に、唇に、噛みつくように口づけを与える。
「はっ、、ん」
開いた口はそれを受け入れた証し。 鎖に絡まって動かぬ手足が、もどかしく震えるのは、おのれに噛みつく小柄を掻き抱けぬ焦燥だ。
ジャリン、
重い音がして、鎖は地に落ちた。 狂おしい吐息の下で、魔の唇が空気を求めて激しく喘ぐ。
「はぁ――」
吐息と共に二つの唇は離れ、影は「座れ、小太郎」そう囁いた。
魔の膝がくずおれ、その胸に絡みついていた影の足が、とん、と板間につく。 もう一度、おのれの唾液で汚れた魔の唇をペロリと舐めると、背後の柱より得物を引き抜き、鎖を腕に絡める。
「奪われる前に奪ってやろう、小太郎、貴様の」
「からだ、を?」
とろりとした碧眼が琥珀の瞳を見つめる。 影はゆっくりと首を振った。
「貴様の、心を」
ああ、青白い肌に紅を刺したようなそこだけ薄らと紅い唇が、夢見るような吐息を吐き、涙の浮かんだ碧眼が、満足気に一度だけ瞬かれると、青白い頬に一滴、生ぬるい水がこぼれおちた。
「躯を奪うは命がけ、では小太郎、心を奪うには何を賭ける」
一歩離れて、すでに戦いの態勢に入った影が静かに囁く。 魔は一瞬の思案の後、唇を緩め、初めて見せる無垢な笑顔でこう云った。
「心を、心を賭ける、それで良いか」
「ふむ、ではこれはもう要らぬな」
手にした得物を放り投げ、防具も外し忍装束だけの姿になった影は、膝立ちで両手を広げおのれを迎える魔の躯を優しく抱いた。 互いの温もりが互いを温め、満ちた気持ちになりながら、いつしか喉を鳴らして笑い合う。
「たったこれだけの事か」
「たったこれだけの事だ」
「おれの勝ちだ、小太郎」
「我の勝ちだ、半蔵」
別にそれ以上の言葉も行動も要らぬ。 ただ、今宵はこうして互いの熱を確かめながら温め合う。 心が満ちれば、次は躯が欲しくなる時もあるかもしれぬ。 その時は、
「その時はまた、」
「殺し合うて決めれば良い」
そう云い合ってまた二人、さも楽し気に笑うのだった。
-----
⇒end
*なんだろう、これ??よくわからないけれど、なんだかぽっこり生まれたものです。多分、某停滞中連載にものごっつ根っこの処で繋がっている気がする(苦笑)展開が変なのは、某裏連載で培った悪癖 orz お目汚し失礼しましたm(__)m
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