MADDENING NOISE Memorandum
戦国無双&OROCHI中心二次創作文垂れ流し人の雑記帳
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どうも、お世話になってますm(__)m
微妙に稼働してまする~☆
すぐ帰って来ます。なぁに、2、3日の事ですゆえ、えーと、じゃあ、以下にちょろっと短文を展示しておきますww
まあ、もしご覧になられる方がいらっしゃったら、と思いまして。
特典SSSですwwwww
クリスマスイブの夜の半蔵のお話。出演は半蔵のみ。
よろしければ、どうぞ。
微妙に稼働してまする~☆
すぐ帰って来ます。なぁに、2、3日の事ですゆえ、えーと、じゃあ、以下にちょろっと短文を展示しておきますww
まあ、もしご覧になられる方がいらっしゃったら、と思いまして。
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クリスマスイブの夜の半蔵のお話。出演は半蔵のみ。
よろしければ、どうぞ。
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ハードボイルドクリスマス
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――聖なる夜、クリスマス・イブ――
それは、恋人達が不確かな愛の永遠性を信じ、それを互いに確かめ合い、独り身の男(女)が冬の寒さを一層身に沁みて感じる夜…。
その夜も仕事に追われ、一人最終一本前の電車で家路を急ぐ半蔵の姿が、冷え切った路上に現れた。 彼はいつもその時間にその道を歩く。 コツコツ、と革靴の音が静まりかえった住宅街に静かに響いていた。
「クリスマス・イブ…か、」
住宅街の中、キラキラと派手なクリスマスデコレーションを施された電飾だらけの家に目をやり、彼は小さく呟いた。 もやり、と口元から声と共に白い靄が立つ。 今宵は随分冷えるようだ。 身体だけではなく、心も…。
帰路につく駅でも電車の中でも、幾組ものパーティー帰りらしきアベックの姿を目撃した。 酒に酔っているのかどうかは知らないし、これからどこへ行くのかも知った事ではないが、奴等は、もう離れるつもりは一切ないというほど必要以上に寄り添って、別に腹は立たぬが不愉快な思いをした半蔵である。
こう云う夜に家に帰っても独りきりだと実感するのは、別に恋人を切望しているつもりはなくても寂しいものだ。
もやり、再び口元に声もなく白く靄が立った。
コツコツ、
足音は規則的に彼の躯を家へと運んで行く。 500Mほど進んだ道の曲がり角の向こうに、静かな夜には不釣り合いな明かりが灯っている。 住宅街のはずれにひっそりと立つコンビニだった。 あと50Mも進めば、コンビニの駐車場に至る位置で、足音はピタリと止まった。 じっとコンビニの明かりを見つめながら、彼は何やら思案し始めていた。
自宅から一番近いそこに、彼は良く寄った。 夜食を買ったり、酒を買ったり、家でだけ吸うタバコを買ったりと重宝していた。 今日は何を買うか…彼の思案はそこにあった。
――今日は、仕事で大変頭を使った。 だから甘いモノが食いたい。 だから、甘いモノが欲しいのだ。
大事な事は二度云う。 世の中の鉄則にのっとった思案であった。
クリスマス=ケーキ、その発想を貧困と誰が罵れようか? 彼はケーキを欲していたのだ、切実に。
それは或いは、少しはクリスマスという恋人同士には甘い甘いイベントに触れてみたいという、そんな気持ちだったのかも知れない。
だが、
実年齢はともかく、明らかに三十男に見える風貌の男が、一人、家でケーキを食べるのだと悟られる事は、彼に限らずとも恥辱の極みだ。 静かに、思案を繰り広げていた彼の琥珀の瞳が、ギラリと輝く。 脳内シミュレートを数度繰り広げ、小さく頷くと、意を決したように、
コツリ、
再び革靴の立てる音が、静かに響いた。
ブイィィーン。
無機質な自動ドアの音の後「ぃらっしゃいませぇ」気の無い声が店内に響く。 いつものいかにもコンビニの店員らしい若い男だ。 服装が微妙にルーズで、一切やる気の無い立ち姿、彼はその男を[世界一コンビニの制服の似合う男]と名付けていた。
油断なく店内に視線を飛ばす。 辺りには客が三人。 それぞれが、雑誌のコーナー、菓子のコーナー、酒のコーナーに散っている。 にやり、薄い唇の端が上がった。
気付かれぬように視線を例のブツの並ぶ生菓子コーナーに向け、位置を確認する。 じらす様に、まずは飲み物を物色した。 もちろん目線は例のブツに向けたままだ。
そして、ブツから他の客が離れているのを確認し、彼は素早く影のように生菓子コーナーに移動した。
「っ!」
思わず唇から驚愕の声が小さく上がった。 なんということだ、ケーキの種類がいつもより多い。 だが迷ってる時間などあるはずもない。 早くしなければ、気取られてしまう。 瞬時に彼は判断した。 直径8センチ位の丸いデコレーションケーキ(小さいながらも、それにはイチゴまできちんと乗っている、スポンジの間にも、イチゴが入っている事はすでにチェック済みだ)を素早く手に取る。 もちろん誰にも気付かれていない。
何食わぬ顔でレジに行き、それを差し出した。 あたかも目的はこっちで在るとばかりに、タバコを頼む事も忘れない。
――ここまでは完璧だ。
彼は心の中でほくそ笑んだ。 だが、最大の難関はこの後だ。 云われた通りに金を払い、やる気の無さそうな店員をさりげなく見つめる。
彼は、[世界一コンビニの制服の似合う男]の瞳が商品を袋に詰めながら、一瞬キラリと輝いた瞬間を見逃さなかった。
――くる。
男は、すっと視線を彼に移し、息を吸い込んで唇を開いた。
「スプーンは何本要りますか?」
おのれの口元に笑みが浮かぶのを抑えきれなかった。 すでに想定済みのその質問に、彼はゆっくりと淀みなく答える。
「二つ、だ」
*
店から出たその足取りは軽かった。 すべてのミッションはクリアされたのだ、満足の吐息がまた口元を白い靄で飾る。
ふと、目の前を白いものがちらちらと舞い散るのに気づき、足を止めた。 真っ暗な空から、白い雪の結晶が、コンビニの明かりを反射させながら、静かに降り注ぎ始めている。
「ホワイトクリスマスか…」
肩をすくめ、彼はコンビニの袋に手を入れる。 先ほど買った煙草を吸いたくなったのだ。 指で探って煙草の箱を取り出すと、その箱にはビニールに包まれたプラスティックの小さなスプーンが一つ張り付いていた。 ふっ、と笑って、それを指ではじく。 安っぽいスプーンは、アスファルトの上に、やはり安っぽい音を立てて転がって行った。
――これは、明日は積もるかもしれぬな。
煙草のパッケージを開けながら、彼は軽快に歩を進める。 頭の中には、すでに家に帰って暖かいコーヒーを飲みながら、ケーキを食べる事しかなかったのだ。
明日、雪は積もるだろう。 道端に転がった使い道の無い安っぽいプラスティックのスプーンは、その雪に埋もれて行くに違いない、三十男のささやかな虚栄心と共に――。
すべての独り身の男(女)達に、メリークリスマス。
-----
⇒end
*クリスマスはだいぶすぎちゃいましたがwww すべての寂しかった人たちに、半蔵さんからメリクリ♪そして、道にゴミを捨ててはいけませんという教訓も込めてwwww
ハードボイルドクリスマス
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――聖なる夜、クリスマス・イブ――
それは、恋人達が不確かな愛の永遠性を信じ、それを互いに確かめ合い、独り身の男(女)が冬の寒さを一層身に沁みて感じる夜…。
その夜も仕事に追われ、一人最終一本前の電車で家路を急ぐ半蔵の姿が、冷え切った路上に現れた。 彼はいつもその時間にその道を歩く。 コツコツ、と革靴の音が静まりかえった住宅街に静かに響いていた。
「クリスマス・イブ…か、」
住宅街の中、キラキラと派手なクリスマスデコレーションを施された電飾だらけの家に目をやり、彼は小さく呟いた。 もやり、と口元から声と共に白い靄が立つ。 今宵は随分冷えるようだ。 身体だけではなく、心も…。
帰路につく駅でも電車の中でも、幾組ものパーティー帰りらしきアベックの姿を目撃した。 酒に酔っているのかどうかは知らないし、これからどこへ行くのかも知った事ではないが、奴等は、もう離れるつもりは一切ないというほど必要以上に寄り添って、別に腹は立たぬが不愉快な思いをした半蔵である。
こう云う夜に家に帰っても独りきりだと実感するのは、別に恋人を切望しているつもりはなくても寂しいものだ。
もやり、再び口元に声もなく白く靄が立った。
コツコツ、
足音は規則的に彼の躯を家へと運んで行く。 500Mほど進んだ道の曲がり角の向こうに、静かな夜には不釣り合いな明かりが灯っている。 住宅街のはずれにひっそりと立つコンビニだった。 あと50Mも進めば、コンビニの駐車場に至る位置で、足音はピタリと止まった。 じっとコンビニの明かりを見つめながら、彼は何やら思案し始めていた。
自宅から一番近いそこに、彼は良く寄った。 夜食を買ったり、酒を買ったり、家でだけ吸うタバコを買ったりと重宝していた。 今日は何を買うか…彼の思案はそこにあった。
――今日は、仕事で大変頭を使った。 だから甘いモノが食いたい。 だから、甘いモノが欲しいのだ。
大事な事は二度云う。 世の中の鉄則にのっとった思案であった。
クリスマス=ケーキ、その発想を貧困と誰が罵れようか? 彼はケーキを欲していたのだ、切実に。
それは或いは、少しはクリスマスという恋人同士には甘い甘いイベントに触れてみたいという、そんな気持ちだったのかも知れない。
だが、
実年齢はともかく、明らかに三十男に見える風貌の男が、一人、家でケーキを食べるのだと悟られる事は、彼に限らずとも恥辱の極みだ。 静かに、思案を繰り広げていた彼の琥珀の瞳が、ギラリと輝く。 脳内シミュレートを数度繰り広げ、小さく頷くと、意を決したように、
コツリ、
再び革靴の立てる音が、静かに響いた。
ブイィィーン。
無機質な自動ドアの音の後「ぃらっしゃいませぇ」気の無い声が店内に響く。 いつものいかにもコンビニの店員らしい若い男だ。 服装が微妙にルーズで、一切やる気の無い立ち姿、彼はその男を[世界一コンビニの制服の似合う男]と名付けていた。
油断なく店内に視線を飛ばす。 辺りには客が三人。 それぞれが、雑誌のコーナー、菓子のコーナー、酒のコーナーに散っている。 にやり、薄い唇の端が上がった。
気付かれぬように視線を例のブツの並ぶ生菓子コーナーに向け、位置を確認する。 じらす様に、まずは飲み物を物色した。 もちろん目線は例のブツに向けたままだ。
そして、ブツから他の客が離れているのを確認し、彼は素早く影のように生菓子コーナーに移動した。
「っ!」
思わず唇から驚愕の声が小さく上がった。 なんということだ、ケーキの種類がいつもより多い。 だが迷ってる時間などあるはずもない。 早くしなければ、気取られてしまう。 瞬時に彼は判断した。 直径8センチ位の丸いデコレーションケーキ(小さいながらも、それにはイチゴまできちんと乗っている、スポンジの間にも、イチゴが入っている事はすでにチェック済みだ)を素早く手に取る。 もちろん誰にも気付かれていない。
何食わぬ顔でレジに行き、それを差し出した。 あたかも目的はこっちで在るとばかりに、タバコを頼む事も忘れない。
――ここまでは完璧だ。
彼は心の中でほくそ笑んだ。 だが、最大の難関はこの後だ。 云われた通りに金を払い、やる気の無さそうな店員をさりげなく見つめる。
彼は、[世界一コンビニの制服の似合う男]の瞳が商品を袋に詰めながら、一瞬キラリと輝いた瞬間を見逃さなかった。
――くる。
男は、すっと視線を彼に移し、息を吸い込んで唇を開いた。
「スプーンは何本要りますか?」
おのれの口元に笑みが浮かぶのを抑えきれなかった。 すでに想定済みのその質問に、彼はゆっくりと淀みなく答える。
「二つ、だ」
*
店から出たその足取りは軽かった。 すべてのミッションはクリアされたのだ、満足の吐息がまた口元を白い靄で飾る。
ふと、目の前を白いものがちらちらと舞い散るのに気づき、足を止めた。 真っ暗な空から、白い雪の結晶が、コンビニの明かりを反射させながら、静かに降り注ぎ始めている。
「ホワイトクリスマスか…」
肩をすくめ、彼はコンビニの袋に手を入れる。 先ほど買った煙草を吸いたくなったのだ。 指で探って煙草の箱を取り出すと、その箱にはビニールに包まれたプラスティックの小さなスプーンが一つ張り付いていた。 ふっ、と笑って、それを指ではじく。 安っぽいスプーンは、アスファルトの上に、やはり安っぽい音を立てて転がって行った。
――これは、明日は積もるかもしれぬな。
煙草のパッケージを開けながら、彼は軽快に歩を進める。 頭の中には、すでに家に帰って暖かいコーヒーを飲みながら、ケーキを食べる事しかなかったのだ。
明日、雪は積もるだろう。 道端に転がった使い道の無い安っぽいプラスティックのスプーンは、その雪に埋もれて行くに違いない、三十男のささやかな虚栄心と共に――。
すべての独り身の男(女)達に、メリークリスマス。
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⇒end
*クリスマスはだいぶすぎちゃいましたがwww すべての寂しかった人たちに、半蔵さんからメリクリ♪そして、道にゴミを捨ててはいけませんという教訓も込めてwwww
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