MADDENING NOISE Memorandum
戦国無双&OROCHI中心二次創作文垂れ流し人の雑記帳
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え~、殺伐愛 麝香シリーズのSSSです。
半コタ、きわどいシーンはありますが、R描写はございません、加えて短いので、SSSに投下させていただきました。
えーと、麝香シリーズを、ご存じない方の為に――
風魔をなぶる半蔵の話です、ありていに言えば。
そして、風魔は半蔵に片恋しているような素振りです。
風魔全然愛されてません、今のところは。
殺伐、でもこれは純愛と云い張ってみるシリーズなのでした。
お好みでない方は気持ちよくスルーしてやってくださいませ。
一応、作者は耽美を探しておりますwwww
なかなか見つからなくて、いつも枕を涙で濡らしちょるんですが(苦笑)
では、とりあえずOKの方のみ、以下リンクから(すぐに文章開きますからね)
半コタ、きわどいシーンはありますが、R描写はございません、加えて短いので、SSSに投下させていただきました。
えーと、麝香シリーズを、ご存じない方の為に――
風魔をなぶる半蔵の話です、ありていに言えば。
そして、風魔は半蔵に片恋しているような素振りです。
風魔全然愛されてません、今のところは。
殺伐、でもこれは純愛と云い張ってみるシリーズなのでした。
お好みでない方は気持ちよくスルーしてやってくださいませ。
一応、作者は耽美を探しておりますwwww
なかなか見つからなくて、いつも枕を涙で濡らしちょるんですが(苦笑)
では、とりあえずOKの方のみ、以下リンクから(すぐに文章開きますからね)
麝香シリーズ 番外 『化粧(けわい)』
とん、
天守の板間、開け放した明かり取りより、影が降り立った。
豪奢な絹の褥に横たわる紅毛の魔人が、ゆっくりと起き上がる。
影は、枕元まで歩み寄り、どさりと音を立てて胡坐をかくと、大儀そうに大きく息を付いてから、
「服部半蔵、お召しにより参上つかまつった」
慇懃に、声を発した。
夜は、もう大分更けていた。
呼び出しをしたのは、今夕――任に就いているという知らせを受けたのが夕餉の頃。
別の者を――という言葉を無視して、任が終わり次第、参上せよと指示してから、二時ばかり――すでに丑の刻は回っていた。
「無理を、云うた」
任に就いているのが本当かどうか、それはわからなかった。
ただ、おのれを厭うているだけかもしれぬ――そう思い、つい、無理を通した。
だが目前に確かに何がしかの用をしていたらしい半蔵の姿を見て、途端に後悔が胸を占めた。
「何用」
しかし、その様な風魔の様子など一向に気にせぬ素振りで、半蔵は淡々とそこに在った。
今度は風魔が深く息をつく。
取り立てて用があったわけではないのは言わずもがなで、今では二日に一度はこれの顔を見ずば妙に心が落ち着かぬようになってしまったおのれを持て余しているのは、誰あろう風魔自身であるのだ。
何を云えばよいのやら、口ごもってしまった風魔を一瞥して、半蔵は立ち上がった。
「用が無ければ、去んでも良いか」
「待て」
思わず掛けられた声に、瞬時に背を向けていた半蔵は顔を歪めて振り返った。
「少し、話をして参れ」
「それは――」
「下命だ」
「――御意」
半蔵は再び胡坐をかき、風魔の言葉を待った。
だが、止めてはみたものの、風魔とて、何を話せば良いやら、途方に暮れていた。
しばし、不毛に刻が流れ、半蔵は顔を下に向けて頭巾と口布を外すと、垂らした総髪をバサバサと振ってから口を開いた。
「その化粧は、いつからしておる」
一瞬、何の事やらわからなかった風魔であったが、話しをしろという下命に従い、口を利かぬ風魔の代わりに半蔵が口火を切ったのだと気づいて、慌てて返事をした。
「――風魔小太郎の名を継いだ時より」
「取れぬのか」
「刺青ゆえ」
「痛んだか」
「うむ、十日ばかり顔が腫れて、人前に出られなんだ」
その時の事を思い出して、風魔は酷い顔であったと嗤った。
そうか――と、云って、それきり半蔵は黙ってしまう。
「その傷は、いつ、ついた」
今度は風魔が口を開いた。
「どちらだ」
「目の」
「服部半蔵の名を継いで間もなく、へまをして」
「では横の」
「織田信長が死んだ折、主を守って伊賀にて」
「そうか――」
再び沈黙――。
もう良いだろう――と、半蔵が口を開きかけた時であった。
「その傷に、触れても良かろうか」
風魔が顔を上げ、そう、聞いた。
それが最終的に下知にならぬであろう事は、半蔵にもなんとはなしに分かったが、ふと気まぐれにうなずいた。
少し驚きつつも、風魔は、気が変わらぬうちにと手を伸ばし、顔を横切る一文字の傷に触れる。
横に一線――指で触れるとそれは、見目とは違い、刀傷ではない様に思えた。
何か、刃物ではない烈風の様なもので、切れたというよりは、裂けた傷。
次いで、眉の上から右目に走る縦の一線――これは、紛う事なき刀傷。
塞がった部分の皮膚は、すべすべとそこだけ別物のような感触であった。
更に指を滑らせ、少しざらついた頬、皮肉に切れ上がる唇の端を滑り、薄い唇をなぞる。
と、いきなり指に噛みつかれた。
ぶち、と嫌な音がして、指の先を噛み千切られた。
驚いてずっと此方を見つめていた琥珀に視線を合わせる。
その目は――いい加減にしろ――と云っていた。
――温い事をするな――と。
指先から流れ出る血を見て、風魔は嗤う。
確かに、おのれらしくもない、何を女子供のように――と。
「化粧を施そう、うぬの顔に」
上に立つ者らしく、尊大に云い放つと、半蔵は「御意」と頭を下げた。
成程、聞かずとも真にそれが下命であれば、聞き分ける事が出来るのか、この犬は――風魔は更に唇を歪め、嗤った。
差し出された浅黒い顔に、おのれの指先から溢れる血でゆっくりと化粧を施していく。
おのれのそれと同じように。
半蔵の顔が、徐々に人外の、鬼の顔になって行く。
――このような化粧を施さずとも、うぬは…――
最後に唇に一文字を引けば、そこには、きつい顔に怒りの面を施した、鬼の姿。
おのれも同じ顔をしているのだ――と、風魔は思った。
おそらく、これよりも何倍も恐ろしい顔と、形、それがおのれの姿。
そう思えば、なにやらまた無性に可笑しくなって――。
「その顔のままで、抱け、我を」
にやり、と半蔵の唇が上がった。
愉悦の笑みではない、それはあからさまな侮蔑。
「如何様に」
「鬼が鬼を喰らうように」
「御意」
立ち上がり、おのれの装束を引きはがすように脱ぎ捨てると、半蔵は閨にておのれを見上げる風魔を、濁った琥珀で睨みつけ、
「脱げ、風魔小太郎――喰らってやる」
そう云って、嗤った。
⇒end
とん、
天守の板間、開け放した明かり取りより、影が降り立った。
豪奢な絹の褥に横たわる紅毛の魔人が、ゆっくりと起き上がる。
影は、枕元まで歩み寄り、どさりと音を立てて胡坐をかくと、大儀そうに大きく息を付いてから、
「服部半蔵、お召しにより参上つかまつった」
慇懃に、声を発した。
夜は、もう大分更けていた。
呼び出しをしたのは、今夕――任に就いているという知らせを受けたのが夕餉の頃。
別の者を――という言葉を無視して、任が終わり次第、参上せよと指示してから、二時ばかり――すでに丑の刻は回っていた。
「無理を、云うた」
任に就いているのが本当かどうか、それはわからなかった。
ただ、おのれを厭うているだけかもしれぬ――そう思い、つい、無理を通した。
だが目前に確かに何がしかの用をしていたらしい半蔵の姿を見て、途端に後悔が胸を占めた。
「何用」
しかし、その様な風魔の様子など一向に気にせぬ素振りで、半蔵は淡々とそこに在った。
今度は風魔が深く息をつく。
取り立てて用があったわけではないのは言わずもがなで、今では二日に一度はこれの顔を見ずば妙に心が落ち着かぬようになってしまったおのれを持て余しているのは、誰あろう風魔自身であるのだ。
何を云えばよいのやら、口ごもってしまった風魔を一瞥して、半蔵は立ち上がった。
「用が無ければ、去んでも良いか」
「待て」
思わず掛けられた声に、瞬時に背を向けていた半蔵は顔を歪めて振り返った。
「少し、話をして参れ」
「それは――」
「下命だ」
「――御意」
半蔵は再び胡坐をかき、風魔の言葉を待った。
だが、止めてはみたものの、風魔とて、何を話せば良いやら、途方に暮れていた。
しばし、不毛に刻が流れ、半蔵は顔を下に向けて頭巾と口布を外すと、垂らした総髪をバサバサと振ってから口を開いた。
「その化粧は、いつからしておる」
一瞬、何の事やらわからなかった風魔であったが、話しをしろという下命に従い、口を利かぬ風魔の代わりに半蔵が口火を切ったのだと気づいて、慌てて返事をした。
「――風魔小太郎の名を継いだ時より」
「取れぬのか」
「刺青ゆえ」
「痛んだか」
「うむ、十日ばかり顔が腫れて、人前に出られなんだ」
その時の事を思い出して、風魔は酷い顔であったと嗤った。
そうか――と、云って、それきり半蔵は黙ってしまう。
「その傷は、いつ、ついた」
今度は風魔が口を開いた。
「どちらだ」
「目の」
「服部半蔵の名を継いで間もなく、へまをして」
「では横の」
「織田信長が死んだ折、主を守って伊賀にて」
「そうか――」
再び沈黙――。
もう良いだろう――と、半蔵が口を開きかけた時であった。
「その傷に、触れても良かろうか」
風魔が顔を上げ、そう、聞いた。
それが最終的に下知にならぬであろう事は、半蔵にもなんとはなしに分かったが、ふと気まぐれにうなずいた。
少し驚きつつも、風魔は、気が変わらぬうちにと手を伸ばし、顔を横切る一文字の傷に触れる。
横に一線――指で触れるとそれは、見目とは違い、刀傷ではない様に思えた。
何か、刃物ではない烈風の様なもので、切れたというよりは、裂けた傷。
次いで、眉の上から右目に走る縦の一線――これは、紛う事なき刀傷。
塞がった部分の皮膚は、すべすべとそこだけ別物のような感触であった。
更に指を滑らせ、少しざらついた頬、皮肉に切れ上がる唇の端を滑り、薄い唇をなぞる。
と、いきなり指に噛みつかれた。
ぶち、と嫌な音がして、指の先を噛み千切られた。
驚いてずっと此方を見つめていた琥珀に視線を合わせる。
その目は――いい加減にしろ――と云っていた。
――温い事をするな――と。
指先から流れ出る血を見て、風魔は嗤う。
確かに、おのれらしくもない、何を女子供のように――と。
「化粧を施そう、うぬの顔に」
上に立つ者らしく、尊大に云い放つと、半蔵は「御意」と頭を下げた。
成程、聞かずとも真にそれが下命であれば、聞き分ける事が出来るのか、この犬は――風魔は更に唇を歪め、嗤った。
差し出された浅黒い顔に、おのれの指先から溢れる血でゆっくりと化粧を施していく。
おのれのそれと同じように。
半蔵の顔が、徐々に人外の、鬼の顔になって行く。
――このような化粧を施さずとも、うぬは…――
最後に唇に一文字を引けば、そこには、きつい顔に怒りの面を施した、鬼の姿。
おのれも同じ顔をしているのだ――と、風魔は思った。
おそらく、これよりも何倍も恐ろしい顔と、形、それがおのれの姿。
そう思えば、なにやらまた無性に可笑しくなって――。
「その顔のままで、抱け、我を」
にやり、と半蔵の唇が上がった。
愉悦の笑みではない、それはあからさまな侮蔑。
「如何様に」
「鬼が鬼を喰らうように」
「御意」
立ち上がり、おのれの装束を引きはがすように脱ぎ捨てると、半蔵は閨にておのれを見上げる風魔を、濁った琥珀で睨みつけ、
「脱げ、風魔小太郎――喰らってやる」
そう云って、嗤った。
⇒end
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