MADDENING NOISE Memorandum
戦国無双&OROCHI中心二次創作文垂れ流し人の雑記帳
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半蔵とねね(2~3背景:どっちでもいいって意味)
初めて超えた一線
事後
短い
それでもよろしければ、続きをどうぞ。
初めて超えた一線
事後
短い
それでもよろしければ、続きをどうぞ。
超えてしまえば(半ねね)
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「ねね」
そう声を発すれば、胸にしがみつく女が「ん」とくぐもった声を上げた。先ほどまでの行為のせいで、互いに汗ばんだ肌がしっとりと心地良い。
だが、彼はそれを楽しむ事は出来なかった。
引き剥がすように己の体を彼女の上から退けて、そのままその隣にうつ伏せた。熱情が過ぎ去った後、彼は己の為した事に後悔はせずとも愕然としたのだ。
超える筈のない一線であった。互いにもう子供ではないのだ。立場もあれば信念もある。
――それが、何故…。
彼は己に対して、不信を抱かずにはおられなかった。
「半蔵…」
肩越しにか細い声がする。首を捻って見れば、彼女が身を起こし、酷く不安そうにこちらを見ていた。
「いや、年甲斐もなく張り切り過ぎたようだ」
少しおどけてそう言うと、馬鹿、と彼女は笑った。なので、彼も笑う。手を伸ばして彼女の柔らかい頬を撫で、そのまま引き寄せ唇を合わせた。
合わさった彼女の唇が震えている。彼の頬が汗ではなく濡れた。
「ごめんなさい、ごめ…んな…さ…」
彼女が泣いていた。後悔しているのだろうか…おのれも後悔した方が良いのだろうか…超えるはずの無い一線を超えた気持ちとは何だったのだろうか…困惑の中、彼は物心ついてから終ぞしたことの無いことをした。
つまり、何も考えず思うまま言葉を吐いたのだ。
「ねねが良い」
「え」
「ねねを抱きたい」
「半蔵」
「ねねを己のモノとしたい」
「はん…」
「それが、ねねを傷つける事になっても、後悔させる事になっても、それでも欲しいと…そう思っている」
「…はんぞ」
「だが、本当は傷付けたくないとも思っている…ねね…おれの思いはお前を傷付けるだけなのだろうか」
一度離れたねねの体を、半蔵は強く抱きしめ直した。言葉にすれば他愛のないことだった。
この女を大事にしたいと思っているのは嘘ではない。だが同時に傷付けるとわかっていても、欲せずには居られなかった。二つの思いの均衡が破れただけの話。
――所詮、おれもただの男だったわけだ。
自嘲を隠さず表情に乗せ、彼は彼女の顔を見た。次は彼女の番だとばかりに、彼はじっと彼女の言葉を待った。
「…わたし」
「ああ」
「わたしも、ダメだとわかってたのに…」
「ああ」
「止まんなかった!好き!あんたが大好きよ、半蔵」
半蔵は満足気に息を吐いた。ねねもまた、恥ずかしそうに息を吐く。
さて、思いというものは吐いてしまえばそれで終わりと言うわけにはあらず。殊に男女の恋情ともなれば、吐けば吐くほど高まるわけで、そんな事などとうに承知の二人であれば、あとはもう全てを呑み込んで…
「こうなった以上は、もう我慢はせぬぞ、覚悟せよ、ねね」
そう、脅すように言う半蔵に、ねねは恥ずかしそうに頷いて…
室の中からは衣擦れの音と密やかな睦言が、朝方まで続くのみ。
⇒end
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