MADDENING NOISE Memorandum
戦国無双&OROCHI中心二次創作文垂れ流し人の雑記帳
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なんとなくまた突然書きたくなったから、書きました。
そこはかとなく3背景の半ねね。
半ねねだと云わなければそうだとわからないかもしれない出来栄えww
ここでもそこはかとなく報われない半蔵さん出現(苦笑)
おひまでしたらば、どうぞ。
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黙って寝てろ
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「ね、あんたなら後腐れないって思ったの、あたし悪い女でしょ?」
そう女は笑って装束をぱさりと解いた。
突然の女の来訪には慣れていた。 迷惑と思いもしたし、いつでも陽気なその話し口に苛々して居たのも確かだ。 あまりにも無防備に男である己の元に現れるその女を、いつか悔恨と懺悔の涙の淵に沈めてやろうという、悪心が働かなかった事もない。 だが女の明るい笑顔は、いつだって男の欲を奪い去ってしまう。 またこの女が己の胸に残して行く幾許かの暖かな思いにほだされてしまっていたところも多いにあるのだろう。 結局己は彼女に不埒な手出しは一切した事がないし、する事はこれからも無いだろうと考えていた。
「ねえ、あたしの事、要らない?」
たわわな乳房を両の手で隠し、女はじっとこちらを見据える。 その表情は妖艶で、少し挑発的でもある。 己が要らぬと云うたなら、次の男の処へ行くつもりだ――表情にはそう直感させるものがあった。
「一体、どうしたのだ」
溜息と共に言葉を吐き出す。 声音には諾とも否ともとれる色合いを乗せた。 己自身であってもどうしたものか、判断がつきかねたせいだ。
「あたしの事、要らない?」
再び同じ問いを繰り返す女の顔は、気付けば酷く歪んでいた。 今にも子供の様に声を上げて泣きそうな顔をしている。 充分に女の色香を感じさせる白い裸体とその表情はひどい違和感を感じさせて、己は苦い笑いを洩らしてしまった。
「要る」
洩らした笑いに敏感に肩を震わせ、脱ぎ捨てた装束を拾い上げようとしていた彼女に向かって、己ははっきりとそう声を出した。 他の男の処へ行かれてはたまったものではない。 今、子供のような心と、成熟した女の体を持つこの女を慰める事が出来る男は正直己しかおるまいと断言できるからだ。 女がとても驚いた顔で此方を見つめるのを笑って見返し、おれはゆっくりと両腕を開いた。
「来い、」
白く柔らかい体が、小さく震えながら己の胸に収まった。 それをそっと臥所に横たえると、先程までの自信が多少揺らぐのを感じる。
さて、朝までこの女の体を抱き締めたまま、おれは男として何の手出しもせずに時をやり過ごす事が出来るだろうか。 それが本当にこの女の心の慰めになるという確信は揺るがぬとしても、では己の性根はどうなのかを自問する。
「抱いて、半蔵」
胸の内に収まる女が震える声を洩らす。 全く何処までも癇(かん)に障(さわ)る女だ、そうなったらそうなったで、酷く胸を痛め、日毎後悔の涙にくれるだろうに。
「何故おれならば後腐れがないと思ったのだ」
気を紛らわせる為にふと疑問に思った問いを発してみた、遊び心に女の背中に指を這わせながら… 女が身を固くしたのは自分で発した酷い言葉を思い出したせいだろう。 では、肌を粟立たせたのは、嫌悪か快楽か…
「あ、あんたは…」
「ああ、」
「あたしの事なんか、好きじゃないと思ったか、ら」
「ほぅ」
「きゃっ!」
腹が立ったから尻をつねってやった。 好きでも無い女にどうしてこんなに優しくしてやる必要があると云うのだ。 何があったか知らぬがこうまで自棄になった女など、一晩いいように弄んでやれば良いモノを、何ゆえに手も出さず抱いて寝てやろうなどと思うというのだ、この馬鹿女め。
「お前など、誰が抱いてやるものか」
「ごめ、はんっ――きゃぁ!」
慌てて詫びの声を上げて体を起こそうとする女を、力を込めて抱きしめた。 逃げようとするのを強引に掛布にくるみこんで、逃げられぬように抑え込んだ。
「他の男の処へなどやらぬ。 今宵はここで反省しておれ」
「く、苦しいよ、半蔵」
「馬鹿女めっ」
「ごめ、ん」
掛布の中で、喉をつまらせる女のくぐもった嗚咽が漏れて来ても、おれは力を緩めてなどやらなかった。 ふむ、これならなんとか朝までもつかもしれない。 掛布にくるんだ事で先程よりは余程ましになった女の体の抱き心地に、安堵の息を洩らしつつ、おれはまるで赤子にするかのように、掛布の中で泣き続ける女の背をゆるゆると叩きながら、似合いもせぬ童唄を謡ってやった。
ねんねんよおころりよ
ねたらお山のきじの子さえも
おきたら狼とってかむぞ
狼と謡った時に、あの北条の青白い忍びの顔が思い浮かんで舌打ちをしたら、掛布の中からおれの名を呼ぶ声が聞こえたので、
「何もしゃべるな」
そう乱暴に言い置いて、おれはまた、唄を続けた。
ねんねが子守りは つらいもの
親にゃしかられ 子にゃ泣かれ
ねんねんねんねん ねんねしな
本当に、一体何がどうしてこんな事になっているのか。 こんな馬鹿な女の為に、おれは何をしているのか。 考えれば考える程漏れるため息を止める事はできない己であった。
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⇒end
彼と一線を越えたくても越え方がわからない彼女と、手を出しちゃえばいいのに、それが出来ない彼。
彼女が思って居る以上に彼も彼女が大好きだとか、そういうなんかよくわかんない主張。
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